Backup Copy - ファイルのバックアップのためのミラーリングユーティリティ

Kevin Lindsay <klindsay@mkintraweb.com>
Yuuki NINOMIYA <gm@debian.or.jp>

$Date: 2001/03/30 14:53:06 $


この文書は Backup Copy のユーザーズマニュアルです。 本プログラムをご利用になる前によくお読みください。

1. はじめに

2. 概要

3. 使用法

4. ライセンス

5. 通告

6. 動作確認済み OS

7. 制限事項

8. 将来の予定

9. FAQ

10. 利用者へお願い

11. 作者

12. 最新リリース

13. 最新ソースコード

14. 謝辞

15. バージョンアップ履歴


1. はじめに

これは Backup Copy における私の初の正式文書である。 願わくばこの文書がプログラムを使うための簡単で迅速なガイドとならんことを。 もし変更すべきと感じた個所があったならば、私に知らせてください。 連絡先はこのファイルの下のほうにあります。


2. 概要

Backup Copy はスマートなコピープログラムで、ユーザは多量のファイルを ある場所から別の場所にコピーすることができます。 前回コピーした後で更に実行されたとき、鍵となる機能により更新された ファイルかバックアップに存在しないファイルのみがコピーされます。 その結果、時間を節約することができ、ドライブの負荷を軽減することも できます。 更新されたファイルだけをコピーするのと同じ機能として、 ファイル削除手続きが組み込まれています。 もしソースパスからファイルが削除されていたら、次にバックアップが 実行されたときに同じファイルが削除されます。 これによりドライブを溢れさせることなしに、ソースと全く同じバックアップを 作成することができます。 追加オプションにより、前回バックアップした後でコピーが実行されたとき、 全ての上書きされる、あるいは削除されるファイルをゴミ箱に保存することが できます。 あなたはバックアップのバックアップが必要になるときに備えて、ゴミ箱を どんどん膨らんでいくままにしておくことができます。 ディスク容量が尽き始めるとき、あなたはゴミ箱を取り除くか、整理にする 必要があります。


3. 使用法

3.1 インストール

インストールは非常に簡単です。 以下のように実行してください。

$ ./configure
$ make
# make install

3.2 コマンドラインオプション

使用法: cpbk [オプション] SOURCE DEST
または: cpbk [オプション] -c FILE [SOURCE] [DEST]

オプション:

-c, --config=FILE

設定ファイルを指定します。設定ファイルの使用法については「設定ファイル」の 節を参照してください。

-e, --exclude="FILE,..."

指定されたディレクトリまたはファイルをコピーから除外します。 このオプションは、同じファイルの多重コピーで終わるかもしれない NFS でマウント されたディレクトリを除外するのに便利である。 また、バックアップするディレクトリがディスティネーションディレクトリを含む 場合には、ディスティネーションディレクトリを必ず除外しなくてはなりません。

-t, --trash-bin=DIR

最後のバックアップから上書きされた、または削除された全てのファイルを 指定されたゴミ箱に移動します。

-l, --list

新しいファイル、更新されたファイル、削除されたファイル、 新しいディレクトリ、および削除されたディレクトリの名前の一覧を表示します。

-n, --nlist

新しいファイル、更新されたファイル、削除されたファイル、 新しいディレクトリ、および削除されたディレクトリの数を表示します。

-s, --simulate

指示をシミュレートします。実際にはいかなるファイル/ディレクトリも 変更しません。

-f, --force

更新されたかどうかにかかわらず全てのファイルをコピーします。

-i, --inode-ctime

書き込みや inode 情報の設定によって変更される ctime を ファイルの比較に使用します。 このオプションでは、ctime が変更されていたらファイルが更新されたと みなします。

-I, --ignore-minor-error

処理の続行が可能な小さなエラーは無視します。 これは危険かもしれません。気を付けてこの機能を使ってください。

-q, --quiet

静寂モード。全てのエラーメッセージと進捗情報の表示を抑制します。

-p, --suppress-progress

進捗情報の表示を抑制します。

-v, --verbose

饒舌モード。処理されるファイルの名前を表示します。

-h, --help

ヘルプを表示して終了します。

-V, --version

バージョン情報を表示して終了します。

3.3 使用例

cpbk /source /dest

ソースディレクトリから、前回バックアップから更新された (あるいは 新たに追加された) ファイルだけをディスティネーションディレクトリに コピーします。 また、前回バックアップよりソースディレクトリから削除された全ての ファイルを削除します。

cpbk -t /trashbin /souce /dest

前回バックアップから上書きあるいは削除された全てのファイルをゴミ箱へ 移動する、ということ以外は 1 番目の例と同じ動作を行います。

cpbk -t /trashbin -e "/excludedir1,/excludedir2" /source /dest

ソースに位置する二つのディレクトリを除外すること以外は 2 番目の例と 同じ動作を行います。

3.4 設定ファイル

あなたが望むなら、いくつかのオプションを設定ファイルで指定することもできます。 ファイル "sample-ja.cpbkrc" が Backup Copy のコピーに含まれている はずです。Backup Copy の各オプションの使い方を以下に示します。

(注意: ファイルでの設定はコマンドラインオプションで上書きすることが可能です)

基本ルールとして、ON と OFF は以下のように表されます。

オプションをトグルするには、そのオプションの後ろに等号と、それから True または False を書いてください。例えばあるオプションを有効にするには


OPTION = True

としてください。

設定オプション:

Source

ファイルをコピーしたいディレクトリを指定します。 例えば:


Source = /home/hoge

Dest

ファイルをコピーする先のディレクトリを指定します。 例えば:


Dest = /home/backup

Exclude

除外したいディレクトリやファイルを指定します。複数指定したい場合は 複数書いてください。--exclude オプションと同じです。 例えば:


Exclude = /home/hoge/gomi
Exclude = /home/hoge/temp

SaveExclude

除外されたディレクトリやファイルをディスティネーションディレクトリから 削除したい場合は、このパラメータを False に設定してください。

TrashBin

最後のバックアップから上書きされた、または削除された 全てのファイルを指定されたゴミ箱に移動します。--trash-bin オプションと 同じです。 例えば:


TrashBin = /hoge/hoge/gomi

Simulate

指示をシミュレートします。実際にはいかなるファイル/ディレクトリも 変更しません。--simulate オプションと同じです。

Force

更新されたかどうかにかかわらず全てのファイルをコピーします。--force オプションと同じです。

InodeCtimeCheck

書き込みや inode 情報の設定によって変更される ctime を ファイルの比較に使用します。 このオプションでは、ctime が変更されていたらファイルが更新されたと みなします。--inode-ctime オプションと同じです。

FileSizeCheck

ファイルサイズをファイルの比較に使用します。

IgnoreMinorError

処理の続行が可能な小さなエラーを無視します。--ignore-minor-error オプションと同じです。

Quiet

静寂モード。全てのエラーメッセージと進捗情報の表示を抑制します。--quiet オプションと同じです。

SuppressProgress

進捗情報の表示を抑制します。--suppress-progress オプションと同じです。

Verbose

饒舌モード。処理されるファイルの名前を表示します。--verbose オプションと 同じです。


4. ライセンス

Copyright (C) 1998 Kevin Lindsay <klindsay@mkintraweb.com>
Copyright (C) 2001 Yuuki NINOMIYA (二之宮 祐樹) <gm@debian.or.jp>

本プログラムはフリー・ソフトウェアです。あなたは、Free Software Foundation が公表した GNU 一般公有使用許諾のバージョン 2、あるいは それ以降の各バージョンの中からいずれかを選択し、そのバージョンが 定める条項に従って本プログラムを再頒布または変更することができます。

本プログラムは有用とは思いますが、頒布にあたっては、市場性および 特定目的適合性についての暗黙の保証を含めて、いかなる保証も 行ないません。詳細については GNU 一般公有使用許諾書をお読みください。

あなたは、本プログラムと一緒に GNU 一般公有使用許諾の写しを 受け取っているはずです。そうでない場合は、Free Software Foundation, Inc., 59 Temple Place - Suite 330, Boston, MA 02111-1307, USA へ 手紙を書いてください。


5. 通告

このソフトではコマンドラインオプションの解析に shhopt を使用しています。 shhopt は Artistic License にて配布されており、もし望むなら shhopt のみを 切り離してそれを Artistic License に基づいて使用することができます。


6. 動作確認済み OS


7. 制限事項

特にありません。


8. 将来の予定

--one-file-system オプションのサポート。 これは、コピーを始めたディレクトリと異なるファイルシステム上にある サブディレクトリをコピーをしない、という機能です。


9. FAQ

特にありません。


10. 利用者へお願い

感想、提案、バグレポート、パッチ等はいつでも歓迎します。 お気軽にお送りください。


11. 作者

Kevin Lindsay <klindsay@mkintraweb.com> (オリジナル作者)
Yuuki NINOMIYA <gm@debian.or.jp> (Ver 3.0.0 以降作者)


12. 最新リリース

最新の cpbk の公式リリースは以下の URI からダウンロードできます。
http://www.enjoy.ne.jp/~gm/program/cpbk/index-ja.html


13. 最新ソースコード

最新のソースコードは Anonymous CVS で取得できます。 リポジトリは :pserver:anonymous@linuxlovers.yi.org:/var/cvs を、 プロジェクト名は cpbk を、パスワードは anonymous を指定してください。


% cvs -d :pserver:anonymous@linuxlovers.yi.org:/var/cvs login
(Logging in to anonymous@linuxlovers.yi.org)
CVS password: anonymous
% cvs -d :pserver:anonymous@linuxlovers.yi.org:/var/cvs checkout cpbk

CVS の詳しい使い方は http://www-vox.dj.kit.ac.jp/nishi/cvs/cvs-manual/cvs-jp_toc.html を参照してください。


14. 謝辞

14.1 借用コード/ライブラリ

Sverre H. Huseby <sverrehu@online.no>

14.2 コードまたはドキュメントの寄稿

Michael Oswell <oswell@xcert.com>

John Quinn <jquinn@soggey.ilo.dec.com>

Karl Iorio <iorio@i-cafe.net>

Jeff Trawick <trawick@ibm.net>

Robert Schouwenburg <rds@stack.nl>

Iain Patterson <me@iain.cx>

14.3 翻訳

Jacques JANVILLE <janville@worldnet.fr>

14.4 その他

コメントやバグレポート、提案を送ってくれた人々に感謝します。

そして、cpbk を使ってくれるあなたにありがとう!


15. バージョンアップ履歴

2001/03/30 Ver 4.1.0

2001/03/27 Ver 4.0.0

2001/03/20 Ver 3.0.2

2001/03/15 Ver 3.0.1

2001/03/14 Ver 3.0.0a

2001/03/10 Ver 3.0.0


sgml21html conversion date: 2001/03/30(金) 23:57:19 JST