PPxPの標準ではログの出力はsyslogのLOCAL0ファシリティになっています。た だし、qdialの標準ではqdial.logファイル、あるいは<設定スクリプト名 >.logファイルになっています。syslogファイシリティ、もしくはファイル 名を変数LOG.FILEに指定することで出力先を変更できます。
変数LOG.FILEに何も指定しなかった場合はLOCAL0になります。AUTH,AUTHPRIV, DAEMON、あるいはLOCAL0〜LOCAL7のいずれかを指定した場合はsyslogのそれぞ れのファシリティへ出力されます。
上記以外の名前を変数LOG.FILEに指定した場合は~/.ppxp/logディレクト リ以下にその名前のファイルを作成し、そこへ出力します。変数LOG.FILEに指 定できるのはファイル名だけで、パス名を指定することはできません。
ログをファイルに出力する場合、そのファイルのサイズに上限を設けることが できます。変数LOG.SIZEに上限となるバイト数を指定してください。上限を設 けたくなければunlimited(実際には数値以外なら何でも良い:-)を指定してく ださい。なお、ファイルのサイズが評価されるのは変数LOG.FILEを指定して、 ファイルがオープンされる時です。したがって、変数LOG.SIZEは必ず変数 LOG.FILEの前で設定するようにしてください。また、変数LOG.SIZEの標準は0 になっています。これは、ファイルがオープンされる時に毎回上書きされると いう意味です。つまり、最後に起動したPPxPのログのみを残すという意味にな ります。
PPxPはログをいくつかのカテゴリにわけています。どのカテゴリを出力するか は変数LOG.LEVELで設定します。
基本状態(Dead,Establish,Authenticate,Network,Terminate)の遷移情報です。
コントロールプロトコル(LCP,CCP,IPCPなど)の状態遷移情報です。
ファイルの読み書きなど、OSレベルの処理に関する情報です。
システム依存な処理にともなうログです。
PPxP内部のタイマサービスに関する情報です。
PAP/CHAPなどの認証プロトコルに関する情報です。
CHAT機能とダイアラー機能の動作情報です。
LCP,IPCPなどのコントロールプロトコルの情報です。
PPxPではIPアドレスやログイン名などをプライベート情報と呼んでいます。 PRIVATEレベルを設定するとこのプライベート情報をログに出力します。なお、 CHAT機能やダイアラー機能、DUMPレベル等ではこの設定とは無関係にこれらの 情報がログ出力されますので、注意してください。
PPxPではパスワードをシークレット情報として扱っています。SECRETレベルを 設定すると、シークレット情報がログに出力されます。CHAT,ダイアラー,DUMP レベルについてはPRIVATEレベル同様に注意してください。
コンソールから呼び出されたコマンドの情報です。
全ての通信データの16進数ダンプを記録します。
DUMPレベルでは入出力データを16進ダンプ形式でログに書き出します。
PPPフレームとしての入出力データです。FrameEnqueueが出力、FrameReadが入 力です。
モデムなどのラインデバイスにおける入出力データです。AsyncWriteが出力、 AsyncReadが入力です。
もし、ログを他の人に見せる場合はプライベート情報やシークレット情報の扱 いに注意しなければなりません。ニュースやメーリングリストなど、不特定多 数の人に見せる場合はDUMP,SECRET,PRIVATEレベルを外しておきましょう。ま た、CHATレベルには電話番号が入りますので、その扱いにも注意しましょう。 ただ、これらのレベルを削ってしまうと必要な情報が抜けてしまうことがあり ます。そういう時はPRIVATEやCHATレベルは残すようにして、IPアドレスや電 話番号を仮の内容に書き換えると良いでしょう。