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11. tkPPxP

11.1 概要

tkPPxPxppxpfppxp と同様に、PPxP の接続 状況を X Window System 上に表示します。また、接続/切断やオート接続モード の ON/OFF 等の簡単な操作を行うこともできます。その他、次のような機能を持っ ています。

11.2 書式

tkppxp [name] [-geometry geometry] [-display display] [-iconic] [-withdrawn] [-mini] [-iconrelief flat|sunken|raised] [-iconborder num [-style style]

11.3 オプション

name

接続に使用するPPxPの設定ファイルの名前を指定します。 これを指定するとtkppxpの起動時にppxpdは指定された名 前の設定ファイルを読み込みます。

-geometry geometry

メインパネルをX上で表示する位置を指定します。 このオプションはwishによって処理されます。

-display display

表示するXのディスプレイを指定します。 このオプションはwishによって処理されます。

-iconic

アイコン化された状態でtkppxpがスタートします。

-withdrawn

スタート時にメインパネルの表示を行いません。 アイコンウインドウをデスクトップに表示する機能の無いウインドウマネージャ でこのオプションを指定すると、何も表示されないので注意してください。

-mini

アイコンウインドウを通常のXのトップレベルウインドウとして表示します。

-iconrelief flat|sunken|raised

アイコンウインドウの枠の形式を指定します。 有効な値はflat,sunken,raisedです。 デフォルトはraisedです。

-iconborder num

アイコンウインドウの枠の幅をピクセル単位で指定します。 デフォルトは 2 です。

-style style

特定のウインドウマネージャで使いやすいと思われるスタイルで表示を行います。 現在有効な値は次の通りです。

dock

WindowMaker の Dock 用で す。-withdrawn -iconrelief sunken と同じです。

wharf

AfterStep の Wharf 用です。 -mini -withdrawn -iconrelief sunken と同じです。

goodstuff

fvwm の GoodStuff 用です。 -mini -withdrawn -iconborder 0 と同じです。

fvwmbuttons

fvwm の GoodStuff 用です。 -mini -withdrawn と同じです。

11.4 メインパネル

メインパネルは、PPP の状態を表示する 表示部と、 基本的な操作を行う ボタンと、 それから メニュー から構成されています。

表示部

接続時間

接続開始から現在までの時間を表示します。接続中は常にカウントアップされま す。

アイドルタイマー

接続中、PPP パケットが流れていないとカウントダウンされます。この時間が 0 になると自動的に切断されます。PPP パケットが流れるたびにこの時間はリセッ トされます。

自動接続モード

"Auto" という文字が赤くなっているときは、パケットの流れを検知して自動的 に接続を行う自動接続モードになっています。また、この表示部分はボタンになっ ており、このボタンを押すことによって自動接続モードの ON/OFF をトグルさせ ることができます。

PPP 接続ステータス

PPP の接続段階を次の 4 段階で表示します。

すべての文字列の消灯中は全く接続がされていない状態であり、すべてが点灯す るとネットワーク的な接続確立状態です。

コンフィギュレーション名

PPxP の NAME 変数の値を表示します。この文字列を変更するには、設 定ファイルの中で NAME 変数を設定してください。

通信量

入力/出力に分けて、ネットワークパケットの通信量を表示します。表示間隔は およそ 1 秒です。

IP アドレス

上側がローカルピア、下側がリモートピアの IP アドレスです。接続中は実アド レスが表示されますが、切断中は仮アドレスを表示します。

ボタン

左から接続、切断、アイドルタイマー延長、アイドルタイマーストップ、クロー ズ、終了、のボタンになっています。

接続ボタン (右三角)

接続を開始します。接続中はなにもしません。

切断ボタン (四角)

切断を行います。切断中はなにもしません。

アイドルタイマー延長ボタン (右二重三角)

1 回押すごとにアイドルタイマーの残り時間を 1 分延長します。この機能は、 PPxP の IDLE.TIME 変数を設定することによって行われます。

アイドルタイマーストップ (赤丸)

このボタンはトグルになっており、押された状態ではアイドルタイマーのダウン カウントをストップします。この機能は、PPxP の IDLE.MODE 変数を 設定することによって行われます。

クローズボタン (二重線)

tkppxp を終了します。ppxpd は終了しません。

終了ボタン (上向き三角)

tkppxp を終了します。ppxpd も同時に終了します。

メニュー

File メニュー

Load configuration...

設定ファイルをロードします。この項目を選択するとファイル選択ダイアログが 現れます。

View Log

ppxpd が現在出力中のログファイルの内容を表示します。ただし、 ppxpdsyslog へ出力している場合は表示できません。

Bye

tkppxp を終了します。ppxpd は終了しません。

Quit

tkppxp を終了します。ppxpd も同時に終了します。

Operation メニュー

Connect

接続を開始します。

Disconnect

切断を行います。

Auto ON

自動接続モードにします。

Auto OFF

自動接続モードを解除します。

Quick Dialup

後述の クイックダイアルアップインターフェ イスを起動します。

Command メニュー

後述の 外部コマンド呼び出し機能用のメ ニューです。

11.5 アイコンウインドウ

tkPPxP はメインパネルの他におよそ 58x58 のサイズのアイコンウイ ンドウを持っています。いくつかのウインドウマネージャでは、 tkPPxP をアイコン化するとこのアイコンウインドウが表示され、そこ で PPxP の状態をモニタすることができます (ウインドウマネージャによっては。 できないものもあります)。また、tkPPxP の起動時に -mini オプションを指定することよにり、アイコンウインドウを通常 のトップレベルウインドウとして表示することもできます。

アイコンウインドウで表示される情報は次の通りです。

アイコンウインドウ上でのマウス操作は次のようになっています。ただし、ウイ ンドウマネージャによっては、アイコン状態ではこれらの操作が行えないことが あります。

左ボタン

メインパネルの表示/非表示の切替え。

右ボタン

Connect/Disconnect 等の操作メニューの表示。

真中ボタン

外部コマンド呼び出し用メニューの表示。

11.6 クイックダイアルアップ

ppxpqdial コマンドと同様のクイックダイアルメニュー です。PAP/CHAP 認証による接続に最低限必要な設定項目が抜き出されています。 各項目の詳細については QuickStart.txt を参照してください。

11.7 外部コマンド呼び出し機能

  1. 接続開始
  2. 接続確立
  3. 任意の外部コマンド実行
  4. コマンド終了
  5. 切断
という一連の作業を行うことができます。呼び出しはメインパネルの Command メニューと、アイコンウインドウのマウス真中ボタンから行 います。

コマンドの編集

コマンドの追加/削除/設定は、メニューに表示される "Edit commands" から行 います。この項目を選択すると設定ダイアログが表示されます。設定ダイアログ 上の設定項目は次の通りです。

全般設定

PATH

コマンドサーチパスを設定します。

Timeout for connect

接続開始から、ここで設定した時間が過ぎても「接続」状態にならないときは、 コマンドの起動を中止します。ここに 0 を指定するとタイムアウト中断処理は 行わず、「接続」状態になるまで待ちます。

Show command status window

コマンド実行ウインドウ をコマンド実行時に表示するかどうかを指定します。

Position

コマンド実行ウインドウ の表示位置を指定します。

Hide window after commands finished

コマンド実行終了時に コマンド実行ウインドウ を非表示にするかどうかを指定します。

各コマンド設定

各コマンドの設定では、左にラベルの一覧、右に各コマンドの詳細が表示されま す。コマンド詳細の設定項目は次の通りです。

Label

メニューに表示するラベルを指定します。

Command

実行するコマンドを指定します。ここでの設定は文字列としてそのまま /bin/sh へ渡されます。

Specify configuration names

ここには PPxP の NAME 変数を指定します。ここで指定した NAME 以 外のときには、メニューにそのコマンドのラベルが現れません。スペースで区切っ て複数指定することができます。

Disconnect after command finished

コマンド終了時に切断を行うかどうかを指定します。

上記の項目のうち、最低限 Label と Command を設定し、Add ボタン を押すと左側のラベル一覧にラベルが表示され、メニューに現れるようになりま す。また、Clear ボタンを押すと上記の項目がすべてクリアされます。

ラベル一覧では、いずれかのラベルを選択すると詳細欄にその内容が表示されま す。また、Delete ボタンで選択ラベルを削除し、上ボタンと下ボタン で選択ラベルを上下移動して表示する順番を変えることができます。

コマンド実行ウインドウ

コマンド実行ウインドウでは次の情報が表示されます。

また、次のボタンで操作が行えます。

Stop ボタン

コマンドの実行を中断します。まだコマンド起動前 (接続開始から、接続が確立 するまでの間) は、接続を中止するだけです。コマンドの実行中には、 /bin/kill を使ってコマンドプロセスへシグナルを送ります。

Clear ボタン

実行したコマンドの出力のログ表示をクリアします。

Close ボタン

このウインドウを閉じます。


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